アスビト　＃32　荒井弘史さん

今回のアスビトは、南陽市宮内で靴をはじめとする革製品を製造する宮城興業株式会社の代表取締役社長、荒井弘史さん（５１）です。
荒井さんは今年の３月に社長に就任したばかり。また、靴産業のメッカ、東京都の浅草で「荒井弘史靴研究所」という靴のデザイン会社を運営しながら宮城興業の社長も兼務しているため、２足のわらじで東京と南陽を往復する忙しい毎日を送っています。

宮城興業ではほとんどの靴の製造方法に対応できるそうですが、その中でも「グッドイヤー・ウェルテッド」という手縫い靴の製法を機械化したという「紳士靴で最高峰の製法」での靴作りを紹介してもらいました。また荒井さんが立ち上げた「MIYAGI KOGYO」という会社の魂が宿る靴ブランドの話や、ジャパンレザーアワード2021という革製品の全国コンペでグランプリを受賞した益子実佳さんにも登場していただき、靴への熱い思いがあふれる３０分です。

動物の皮をなめしてできる「革」は、食用に使ったものしか使ってはいけないという決まりを知っていますか？だから、革製品はその存在自体が再利用品でサステナブルなんです。
そして今、きちんとした専門家がいる「靴屋さん」が減っていて、街に靴屋さんがないという市町村も珍しくありません。その中で宮城興業がどんな役割を果たしているのかご覧ください。

番組の補足として、荒井さんは西洋が起源ではあるものの日本で発展してきた「靴」に着目し、「日本ならではの革の履物」としての「靴」を研究しています。番組では「革」+「化」＝「靴」ということで、「靴はモンスター（化け物）」と言っていますが、荒井さんは2023年まで靴の作品をコレクションとしてファッションブランドのようにフランスのパリで発表していたそうです。